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2015年5月20日

HPCS 2015 (ハイパフォーマンスコンピューティングと計算科学シンポジウム)が東京大学 武田先端知ビル5階 武田ホールで5月19〜20日に開催されました。情報処理学会主催のHPCSシンポジウムは計算科学と応用分野の学際的な交流を目指し様々な分野から論文が集まります。今年は都築怜理君(D3)が最優秀論文賞を受賞しました。遂に、昨年のHPCS 2014、一昨年のHPCS 2013に引き続き、青木研の全く異なる研究内容が3年連続で最優秀論文賞の受賞となりました。

論文題目: 動的領域分割を用いた流体構造連成によるサスペンション・フローの大規模 GPU 計算
著者:  都築 怜理, 青木 尊之

また、この論文の第一著者の都築怜理君(D3)は、IEEE Computer Society Japan Chapter 優秀若手研究賞にも選ばれ、副賞5万円を手にしました。
受賞記念の13:10からの講演では、都築君が動画を再生した瞬間に後ろの方から「スゲェ」の声が聞こえ、色々な意味で嬉しい限りです。

HPCS 2015最優秀論文賞 IEEE Computer Society Japan Chapter 優秀若手研究賞

紛体工学会・2015年度春期研究発表会は神田駿河台連合会館2015年5月19〜20日に開催されました。渡辺 勢也君(M2)がBP賞(ベストプレゼンテーション賞)を受賞しました。若手研究者・技術者による優秀な発表に与えられる賞だそうです。賞の存在すら知らずにいたため、受賞の知らせを聞いて驚きました。

論文題目: 非球形粒子を用いた個別要素法による大規模粉体シミュレーション
著者:  渡辺 勢也,  青木 尊之, 都築 怜理

紛体工学会・BP賞の表彰式が5月20日の13:00からという知らせを聞きましたが、HPCS2015の授賞式と奇しくも全く同じ時間になってしまいました。研究室内で2つの授賞式が重なるとは、何と素晴らしいことでしょう。


紛体工学会・2015年度春期研究発表会 BP賞


2014年12月10日

  江戸川区タワーホール船堀で日本流体力学会・第28回数値流体シンポジウムが開催されました。青木研究室からは7件の講演発表を行いました。
  2014年12月10日に懇親会の中でベストCFDグラフィックス・アワードの表彰式があり、今回から動画部門と静止画部門に分かれ、それぞれ1位と2位が発表されました。その結果は、博士課程2年の都築怜理君が動画部門1位、修士課程1年の泉田康太君が動画部門2位、杉原健太研究員が静止画部門2位と賞をほぼ独占する形になりました。2010年に果たせなかった念願の「1・2フィニッシュ!」をついに達成することができました。研究内容も非常に高く、それを反映した素晴らしいグラフィクス・コンテンツになっていると思います。

動画部門 第1位

論文題目 「GPUスパコンにおける動的負荷分散を用いた粒子法による大規模流体シミュレーション」
著者  都築怜理, 青木尊之

動画部門 第2位

論文題目「流入・流出を伴う気液二相が存在する容器内における気泡挙動の解析」
著者  泉田康太, 青木尊之, 小野寺直幸, 杉原健太, 中島聖(マツダ), 本郷均(マツダ), 横畑英明(マツダ)

静止画部門 第2位

論文題目 「垂直軸型風車付き津波避難タワーの解析I  ーVOFベース大規模シミュレーションによる津波衝撃圧の評価ー」
著者  杉原健太, 青木尊之, 内山久和(サンパワー)

実行委員長の渡辺紀徳先生から賞状・副賞を受取る受賞者

都築怜理君 泉田康太君 杉原健太君

            


 

2014年6月12日

 日本計算工学会主催の第19回計算工学講演会が広島で開催され、350件超の講演発表の中から都築 怜理君(博士課程2年)がグラフィクスアワード最優秀賞を受賞しまいた。個別要素法よる大規模バンカーショット・シミュレーションをGPUスパコンで動的負荷分散し、効率よく並列実行する研究です。立派な盾と副賞(Amazonギフト券2万円)も手にしました。

論文題目: GPUスパコンを用いた1670万個の砂粒子による大規模バンカーショット・シミュレーション
著者:  都築 怜理,  青木 尊之

岡田実行委員長から賞状の贈呈 受賞スピーチ 最優秀賞受賞の対象となったバンカーショット計算のスナップショット

 


2014年1月8日

 HPCS 2014 (ハイパフォーマンスコンピューティングと計算科学シンポジウム)が神保町の一橋大学一橋講堂で1月7〜8日に開催されました。情報処理学会主催のHPCSシンポジウムは計算科学と応用分野の学際的な交流を目指し様々な分野から論文が集まります。今年は下川辺隆史助教が最優秀論文賞を受賞しました。昨年のHPCS 2013に引き続き、青木研の研究内容が2年連続で最優秀論文賞となりました。

論文題目: 複数GPUによる格子に基づいたシミュレーションのためのマルチGPU コンピューティング・フレームワーク
著者:  下川辺 隆史,  青木 尊之,  小野寺 直幸

また、この論文の第一著者の下川辺隆史助教は、IEEE Computer Society Japan Chapter 優秀若手研究賞にも選ばれ、ダブル受賞となりました。


HPCS 2014最優秀論文賞授賞式


2013年1月16日

 HPCS2013 (ハイパフォーマンスコンピューティングと計算科学シンポジウム)が東工大のくらまえホールで1月15-16日に開催されました。情報処理学会主催のHPCSシンポジウムは計算科学と応用分野の学際的な交流を目指し、 様々な分野から論文が集まります。論文採択率が 60 % とかなり難関ですが、その中で小野寺直幸特任助教が見事に最優秀論文賞を受賞しました。

論文題目: 格子ボルツマン法 による 1m 格子を用いた都市部 10km 四方 の大規模 LES 気流シミュレーション
  小野寺 直幸 (東工大),  青木 尊之(東工大),  下川辺 隆史(東工大),  小林 宏充(慶大)

採択された論文には京コンピュータ関連が多く、その中で昨年6月の京コンピュータシンポジウムに引き続き、TSUBAME2.0を用いた青木研究室の論文が最優秀賞を取ることができました。


 

2012年6月15日

 2009年(仕分け直前)以来の開催となる「京コンピュータ・シンポジウム2012」が6月14日〜15日に神戸で開催されました。ポスター・セッションには天体、物理、化学、バイオ、気象、金融、計算科学など様々な分野から発表があり、若手研究者の登竜門として広く認識されています。最優秀賞と優秀賞2名にはスパコン分野の最高峰の国際会議SC12(ソルトレイクシティ)への旅費と参加費等が副賞として与えられます。2012年2月まで青木研の博士研究員をしていた王 嫻(Xian WANG)准教授(西安交通大学)は、青木研究室時代に行った GPUベースのLattice Boltzmann法を用いて 2m 格子で港区エリアを対象に超大規模都市気流計算(6144×5760×200)の研究が高い評価を得て最優秀賞を受賞しました。前回(2009年)もMarlon君が最優秀賞を受賞し、2連勝を飾ることができました。しかも今回は神戸の本丸での開催におて、京コンピュータを使った計算ではなくGPUスパコンTSUBAMEを用いた計算である点は特筆できます。(最優秀賞ポスター

 


 

2010年12月21日

 慶應義塾大学・日吉キャンパスで第24回数値流体シンポジウムが開催されました。青木研究室からは5件の講演発表がありましたが、ベストCFDグラフィックアワードにも2件応募しました。十分内容のある研究を行っているのであれば、それを理解し易い高品位なビジュアリゼーションを行いたいという研究室のモットーに沿ったもので、2004年, 2005年, 2006年にも応募し、受賞しています。

  今年度は2010年21日に懇親会に先立って受賞者の発表がありました。その結果は、17件の応募の中で2位が杉原 健太君、3位が下川辺 隆史君でした。実は少し前に実行委員会から二人とも3位以内に入賞したという連絡があったので、もしかしたら「1・2・フィニッシュか!」という期待もありましたが、そこまでには至りませんでした。しかし、受賞した杉原君・下川辺君の内容はグラフィクスのみならず研究内容も十分高く評価され、とても称賛に値するものです。また、CFDの可視化に関する我々の技術の高さを示すことができたと思うと、大変うれしいです。

 
実行委員長の松尾亜紀子先生から賞状を受け取る杉原君と下川辺君

 

【ベストCFDグラフィックアワード2位】

杉原 健太,青木 尊之:
「複数GPUによる気液二相流の大規模シミュレーション」

説明:複数GPUを用いて高解像度の気液二相流計算を行った結果、乾いた床へのダム 崩壊では水面の先端が床を這うように安定に浸水するが、濡れた床の場合には 水柱の先端が激しく乱れ、砕波する様子がリアルに再現できる。

【ベストCFDグラフィックアワード3位】

下川辺 隆史,青木 尊之,石田 純一,河野 耕平,室井 ちあし:
「メソスケール気象モデルASUCA の TSUBAME 2.0 での実行」

説明:次世代気象シミュレーションコードASUCAによる台風の気象計算をTSUBAME 2.0の 437GPUを用い計算格子4792×4696×48(水平500m格子)で単精度計算した例。雲を可視化している。


2010年7月7日

Fermi コアの Tesla C2050 の3D Mark Score

NVIDIA のTesla C1060 には VGA 端子がありませんが、Tesla C2050 には、写真のように通常のグラフィクスボードと同じようにVGA 出力端子があります。これは、マザーボードにVGA カードが少なくとも1枚ないと BIOS が立ち上がらないため、単に VGA カードとして認識させるためだけでのもので、GeForce のようなグラフィクス性能は無いのではないかという憶測がありました。また、C2050 のグラフィクス性能に関する情報も見つけることができませんでした。

そこで、手元の Core i7 920 の Windows 7 マシンに Fermi コアのTesla C2050 を1枚装着し、グラフィクス性能を測定するベンチマークテストの定番の Futuremark3D Mark Vantage を実行して見ました。

C2050 では、3D Mark は実行すらできないのではないかと思いましたが、驚くことに全く同じ環境の GeForce GTX 285 より1割程度早いという結果になりました。C2050 を使って計算した結果をレンダリングする際に、別途 GeForce のようなグラフィクス性能の高いカードを追加する必要が無くなりました。

3D Mark の世界記録を達成するために命をかけている人たちも結構います。GeForce GTX 480 3枚を SLI 連結し、オーバークロックすると表の一番右になります。ちなみに GeForce GTX 480 一枚では 17000 程度。(解像度1280x1024)

測定を手伝ってくれた M2 の黒木雅広君、学部1年の中塚裕志君(5類)どうもありがとう。

(文責 青木)


2010年1月15日

2010年1月14日〜15日に工学院大学(新宿)で開催された2010年ハイパフォーマンスコンピューティングと計算科学シンポジウム(HPCS2010)で、博士課程3年の小川慧君がIEEE Computer Society Japan Chapter 優秀若手研究賞を受賞しました。

小川慧の優秀若手研究賞の受賞式

論文題目は「マルチGPU によるフェーズフィールド相転移計算のスケーラビリティー 〜 40 GPU で 5 TFLOPS の実効性能 〜」です。2009年10月の論文投稿時は40GPUで5TFlopsが最高性能でしたが、その時はTSUBAMEの1ノート当たり2GPUを使っていました。その後のコード改善とTSUBAMEの1ノート当たり1GPUという贅沢な使い方をすることにより、60GPUで10TFlopsを達成することができました。格子系の実用アプリケーションとして10TFlopsを達成したのは現時点で世界最高ではないかと思われ、素晴らしい成果として十分称賛に値するものと思います。

小川慧の優秀若手研究賞の受賞講演

HPCS2010は、投稿論文に対する採択率が約50%と厳しいにも関わらず小川慧君、Marlon Rodolfo Arce Acuna 君とも採択されて連続しての講演発表となり、研究室のアクティビティの高さを示せたと思っています。

(文責 青木)


2009年10月7日

GPU津波計算が次世代スパコン・シンポジウムで最優秀賞

2009年10月から博士課程1年になった Marlon Rodolfo Arce Acuna 君(コスタリカ出身)が2009年10月7日〜8日に丸の内で開催された次世代 スーパー・コンピュータ・シンポジウムのポスター発表で最優秀賞を受賞しました。研究内容は『マルチGPUによる津波のリアルタイム・シミュレーション』です。

なんだポスター賞かと思うかも知れませんが、講演の方は全てお偉い方の招待講演になっていて、ポスターには天体、素粒子、物性、材料、分子、バイオ、・・・のさまざまな分野の優秀な若手研究者が応募しています。シミュレーションの研究者なら是非受賞したい賞の1つです。(副賞は、米国開催の SC09 派遣(旅費・参加登録費支給))

最近世間を騒がしている神戸の次世代スパコンをテーマとするシンポジウムで、そこには採用されない GPU を使った研究が最優秀賞を受賞した点がとても大きいと思っています。GPU コン ピューティングが大規模計算の分野でも広く普及してきていると実感しています。

単一GPUで60倍以上高速化を達成し、さらにマルチGPUではGPU間通信と計算のオーバーラップを行うことでストロング・スケーリングを向上させた研究なので、もしかして優秀賞なら狙えるかと思い、Marlon君と前日までポスターのレイアウト変更など行っていました。表彰式は特別賞、優秀賞2名が順に発表されて行き、そこまでに入っていなかったので、箸にも棒にもかからなかったのかと諦めの気持ち半分で最優秀賞の発表の一言一言に耳を傾けました。その緊張感は今でも思い出せるほどで、「東京工業大学の・・・」と小柳先生から発表があったときは、思わず拳を握りしめて「やった!」と小声で歓声を上げてしまいました。


渡辺 貞プロジェクトリーダーから副賞を授与されるMarlon Rodolfo Arce Acuna 君

(文責 青木)


2009年3月3日

NVIDIAからノートPC向け(モバイルタイプ)の新しいGPUがリリースされまし た。GeForce GTX 280M/260M という名前から、「ついにGT200コアのGPUがモバイルタイプでリリースされたか!」と思いましたが、G92コアの55nmプロセス技術で製造されたもので、「ノートPCでも倍精度でGPU計算を」というのは残念な がら延期です。
しかし、今使っている GeForce 8800M GT より260Mでもメモリバンド幅が20%向上し、演算性能が 28%向上するので、3kg 以下の260M 搭載ノートが発売になったら、買ってしまうかも知れません。

 

GeForce GTX 280M
プロセス:55nm
GPUコア:G92(Streaming Processor 128基)
コアクロック:585MHz
シェーダクロック:1463MHz
メモリクロック:1.9GHz相当(実クロック950MHz)
メモリインタフェース:256bit
グラフィックスメモリ容量1GB(GDDR3)
TDP:25W
単精度ピーク演算性能:562GFlops
メモリバンド幅:61GB/sec

GeForce GTX 260M
プロセス:55nm
GPUコア:G92(Streaming Processor 112基)
コアクロック:550MHz
シェーダクロック:1375MHz
メモリクロック:1.9GHz相当(実クロック950MHz)
メモリインタフェース:256bit
グラフィックスメモリ容量:1GB(GDDR3)
TDP:25W
単精度ピーク演算性能:462GFlops
メモリバンド幅:61GB/sec

GeForce 9800M GT
GPUコア:G92M(Streaming Processor 96基)
プロセス:65nm
コアクロック:500MHz
シェーダクロック:1250Hz
メモリクロック:1.6GHz相当(実クロック799MHz)
メモリインタフェース:256bit
グラフィックスメモリ容量:512MB(GDDR3)
単精度ピーク演算性能:360GFlops
メモリバンド幅:51.1GB/sec