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スコープ
計算力学(流体力学・構造解析等)の分野では、TSUBAME のようなスパコンを使った大規模かつ高度な計算が益々必要と予想される。最先端の研究の講演を通し、今後の計算力学の方向性・課題を議論する。
プログラム
13:00 | ご挨拶 渡辺 治(東京工業大学 学術国際情報センター長) |
13:10-14:10 | [Keynote] Space-Time Fluid-Structure Interaction Modeling Tayfun E. TEZDUYAR (Rice University) |
14:10-14:50 | 大規模構造解析の現状と今後 秋葉 博(アライドエンジニアリング(株)) |
14:50-15:30 | マルチモーメント制約を用いる高精度スキーム 肖 鋒(東京工業大学) |
15:30-15:50 | break |
15:50-16:30 | CFD計算のGPU コンピューティングによる超高速化 青木 尊之(東京工業大学) |
16:30-17:10 | マルチコアプロセッサにおける並列前処理付反復法のための領域分割手法 中島 研吾(東京大学) |
Abstract
Space-Time Fluid-Structure Interaction Modeling
Tayfun E. Tezduyar
Team for Advanced Flow Simulation and Modeling (T*AFSM)
Mechanical Engineering, Rice University
Abstract
The spacetime fluidstructure interaction (FSI) techniques developed by the Team for Advanced Flow Simulation and Modeling (T*AFSM) have been applied to a wide range of 3D computation of FSI problems, some as early as in 1994 and many with challenging complexities. In this presentation, we review these spacetime FSI techniques and describe the enhancements introduced recently by the T*AFSM to increase the scope, accuracy, robustness and efficiency of these techniques. The aspects of the FSI solution process enhanced include the Deforming-Spatial-Domain/Stabilized Space-Time (DSD/SST) formulation, the fluid-structure interface conditions, smoothing techniques in data exchange between the fluid and structure, and a contact algorithm protecting the quality of the fluid mechanics mesh between the structural surfaces coming into contact. We present a number of 3D numerical examples computed with these new space-time FSI techniques, including the FSI modeling of the new parachutes to be used for NASA's Orion space vehicle.
大規模構造解析の現状と今後
(株)アライドエンジニアリング
秋葉 博
近年,HPC (ハイ・パフォーマンス・コンピューティング) の発展は著しく,世界最高速のコンピュータは 1PFLOPS を超えた。並列環境もフラットなものからヘテロな環境へ変わろうとしている。しかしながら,計算力学分野では,HPC の最も大きな恩恵に浴してほしいはずの構造解析の HPC への取り組みは遅れている。本講演では,領域分割法に基づく並列処理構造解析のHPCへのアプローチと実例を紹介し,今後のHPC環境化での構造解析の方向について述べる。
マルチモーメント制約を用いる高精度スキーム
肖 鋒
東京工業大学・大学院総合理工学研究科・創造エネルギー専攻
局所再構築に基づく高精度数値計算法を紹介する。各メッシュセル内に配分される点における値を未知数として、時間発展方程式を用いて予報する。これらの時間発展方程式を導く際に、マルチモーメント制約条件を利用する。補間関数は点値に基づくラグランジュ補間と同様な形式になるが、本質的に異なっている。マルチモーメントに基づく補間は同間隔の分布点においてもRunge現象は生じない。セルにおける積分モーメントを用いれば、保存性を有する有限体積的な定式化を構築できる。本講演では、この手法に関して、基本の考え方、定式化、数値計算例を示す。
CFD計算のGPU コンピューティングによる超高速化
青木 尊之
東京工業大学・学術国際情報センター
GPU (Graphics Processing Unit) は1TFlopsを超える演算性能と高メモリ・バンド幅を持つようになり、描画処理以外にも急速に利用が広がっている。特にNVIDIA社がCUDA開発環境をリリースしたことにより、HPCアプリケーションの開発がかなり容易になっている。GPUを用いるCFDの計算例として、圧縮性レーリー・テーラー不安定性、遡上を含んだ津波計算、物体周りの非圧縮性流れを示す。これらは単一CPUコアで計算した場合と比較すると数10倍上も高速に計算することができ、GPUコンピューティングはCFDの計算の新しい方向であると期待できる。
マルチコアプロセッサにおける並列前処理付反復法のための領域分割手法
中島研吾
東京大学・情報基盤センター
悪条件な係数マトリクスを持つ大規模実問題を並列前処理付反復法を使用して解く場合,適切な領域分割手法を選択することは重要である。本講演では,領域分割のための戦略として,HID(Hierarchical Interface Decomposition)〔Henon & Saad 2007〕,Extended HID〔Nakajima 2008〕につ いて説明し,T2Kオープンスパコン(東大)512コアを使用した予備評価結果を紹介する。HID法のHybridとFlat MPI並列プログラミングモデルによる比較,並列多重格子法への適用例についても紹介する。